ローマ字入力は疲れる

 入力のスピードと正確さを一度にアップする方法として、単語登録があります。私が出会った単語登録法は親指シフトキーボードのユーザーが開発したものが多く、ローマ字入力者には取り入れにくい部分もありました。そこで、ローマ字入力用の単語登録法を研究中。ローマ字入力用の単語登録法、略してロタン

 

 指を速く動かすことは、入力のスピードアップには必ずしも直結しません。タッチ数を減らすことと、ミスタッチを減らすこと、実はこの2つが入力を速くします。
 タッチ数を減らすという意味では、そもそもローマ字入力は不利。同じ文字数を入力するのに要するタッチ数は、かな入力の1.5倍と言われています。

 

 しかも、タッチ数が多ければその分ミスタッチも多くなります。例えば10タッチに1回の割合でミスをする人が、ある文章を打つのにローマ字入力で150タッチ必要だとすれば、入力中に15回のミスタッチをする計算です。かな入力なら同じ文章を100タッチ、この人のミスタッチは10回に減ります。

 

 そもそも、かな入力の1.5倍もキーを叩いていれば、疲れるのは当然。かな入力か親指シフトへの転向も考えましたが、私はローマ字入力から離れる決断がどうしてもできないので、ローマ字入力のまま少しでも効率的に打つことを考えるようになりました。

 

選択しなければもっと速い

 変換キー(というか、普通はスペースキー)は、「変換してね」というお願いのためだけに叩くのが理想です。パシッ、すぐ次の言葉を入力。
 しかし、通常こんなことはできません。日本語は同音異義語が多くて、狙った通りに変換できるとは限らないからです。「講演」「公園」「後援」「公演」…。
 変換のあとに「候補から選択」という作業をしなければいけません。
 目的の漢字が出てくるまで何度も何度も変換キーを叩く。あるいは、間違った変換を確定してしまい、戻ってやり直す。こんなことで無駄にタッチ数が増えると、その分、入力時間がかかってしまいます。

 

 ローマ字入力用の単語登録法(略してロタン)では、ミスタッチや「変換候補から選択」なども含む総タッチ数の低減を目指します。そのために次のような方針を立てます。
・できるだけ「選択」せず「変換」のみを目指す
・短い読みで単語登録し、タッチ数を節約する
・場合によっては、元の語よりタッチ数が増える単語登録を採用し、確実に変換する(「選択」を減らすため)
・ミスタッチを防ぐための単語登録も工夫する
・ロタンとぶつからない範囲でAZIKを取り入れる

※参考にした親指シフト用単語登録法のWebサイト等は、今度あらためて紹介します。

 

略称で正式名称を登録するときの工夫

(メルマガ「ローマ字入力はもっと速くなる!」001号 2005年06月 の再掲載です)

 

略称で正式名称を登録するときの工夫(無意味f)

 

 仕事によく出てくる長い言葉は人によって違うと思いますが、たとえば
「社会福祉協議会」。
   syakaihukusikyougikai
 漢字7字を呼び出すために21タッチです。

 

 私は、これを「略称」で単語登録していました。
   しゃきょう→社会福祉協議会
 登録した読みをすぐ思い出せるので、とっても便利だと思いました。

 

 ところが、そういう仕事には「略称」も出てくるのです。
   例文)××市の社協、つまり社会福祉協議会は~
 最初の「しゃきょう」が、単語登録したばかりの「社会福祉協議会」に変
換されてしまう。「社協」で確定すると、次の「しゃきょう」変換の第1候
補が今度は「社協」になってしまう。
 逆じゃん、という感じです。

 

 日本語として無意味な読みで単語登録するというテクニックがあります。
前か後に「ん」をつけるのが代表的なやり方です。
   んしゃきょう または しゃきょうん→社会福祉協議会

 

 でも、右手はいつもタッチ数が多いので、できたら左手が管轄する「無意
味ちゃん」をつけたい。そこで「f」を選びました。
   しゃきょうf→社会福祉協議会

 これなら忘れにくいし、ミスタッチしにくい。無邪気に自画自賛です!
 さっそく にっけいf→日本経済新聞 も登録しました。

 

本日の雑談

 

 この前、うちのザリガニ(大)がザリガニ(小)を裏返しにして、ガツガ
ツ食べていました! と思ったら、脱皮した自分の殻を食べていたのでした。
 脱皮+自分の殻食いは、もう何度も見てるのに全然慣れません。
 ハサミ部分は硬すぎるらしく、水槽には食べ残したハサミが沈んでいます。

 

 あのハサミを見ていると「バルタン星人打法」という言葉を思い出します…。
左右の二本指を使って入力するという意味で、「一本指打法」の進化形。

 

 というわけで(どういうわけで?)これからどうぞよろしくお願いいたし
ます!

 

その後2年。私の単語登録には、しゃろうしf→社会保険労務士、かぶゆうf→株主優待、あぷりf→アプリケーションなど、「正式名称を無意味fのついた略称で登録」が増えています。

 

「~性」「~的」のロタン

(メルマガ「ローマ字入力はもっと速くなる!」003号 2005年06月22日 の再掲載です)

 

本日のロタン…「ほこせ」と「ててて」

 

 今日のテーマは「~性」「~的」のロタン。まずタッチ数を確認しましょう。
 ・方向性 houkousei … 9タッチ
 ・徹底的 tetteiteki …10タッチ

 

 「~性」は「××せ」、「~的」は「××て」で、私は登録しています。
 それぞれの漢字の最初の読みです。
  ほこせ→方向性  ててて→徹底的

 

 hokose…6タッチ
 カナ入力なら普通でも ほうこうせい…6タッチですから、短縮してやっと対
等というわけです。カナ入力の人がさらに ほこせ…3タッチにしてしまえば、
また太刀打ちできません。
 hks→方向性 という単語登録なら3タッチになりますが、すごーく覚えにく
いのでよほどの頻出語以外はムリです。あきらめて「ほこせ」「ててて」式で
行きましょう。

 

 それにしても「ててて」ってかわいいでしょう?
 この語はよく出てくるのですぐ覚えられます。

 

 ほこせ、ててて、という読みの普通の語はないので、いつも変換の第1候補に
来ているのも便利です。

 

「~性」「~的」の具体例

 

 「~性」「~的」でよく出てくるものを挙げてみます。

 

 可能性  危険性  計画性  柔軟性  重要性  必要性  方向性

 

 圧倒的  一時的  一般的  一方的  感情的  活動的  客観的
 機械的  基本的  具体的  結果的  経済的  現実的  国際的
 個人的  個性的  行動的  根本的  合理的  ……

 私の登録単語から一部を拾ってみました。「~的」のほうがずっと多くて、
自分でも驚きました。同じぐらいかと思っていた…。「~性」で登録している
語はあと少しなのに、「~的」は「あ行」と「か行」から主なものを拾っただ
けでこんなにありました。

 

 さっきから「~性」「~的」と書くたびに気になっているのですが、「性的」
という言葉もありますね。「~的」は「圧倒的」に3字が多い中、「性的」や
「私的」などは「例外的」に2字です。(今のところ性的や私的は、「比較的」
タッチ数が少ないので登録していません)

 

 「絶対的」「全体的」は、どちらも「ぜたて」になってしまいます。
 次回はこれを取り上げます。

 

2つの「ぜたて」

(メルマガ「ローマ字入力はもっと速くなる!」004号 2005年06月28日 の再掲載です)

 

 前回、「~的」は「××て」で単語登録するという方法を取り上げました。
 ところが、これだと「全体的」と「絶対的」がどちらも「ぜたて」になって
しまいます。どちらもよく出てくる言葉なので、できたら別々の読みで登録し
たいのですが、どうしたらいいでしょうか。

 

 一段階戻って考えます。
 「全体」「絶対」はどう単語登録するか。

 

 私は、「z→全」という読みを愛用しています。
 そこから派生して「zb→全部」「zk→全国」そして「zt→全体」。
 なので、「ztて→全体的」ということになりますが、実際にやってみると
不自然なのです。どうしても手が拒否してしまいます。

 

 子音で行くなら子音だけにして!と、自分の手が主張するので、仕方なく
「ztt→全体的」にしたら、意外にあっさり覚えられました。今のところ、
これが「××て」の唯一の例外です。

 

 「全体的」がどいてくれたので、「ぜたて→絶対的」になり一件落着。

 

 ※ただ、私は「ぜ→絶対」という単語登録をしています。
 それだと「ぜて→絶対的」になりそうなものですが、「××て」パターンに
 なじむと「ぜたて→絶対的」のほうが打ちやすく感じます。むしろ「絶対」
 の読みを変えようかと、今思っています。

 

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